TUGBOAT

/ タグボートについて /

タグボート

押す・引く・引き回す・運ぶ

皆さんは、タグボートという船を見たことがありますか?
全長30m前後・幅10m前後のどっしりとした船体の前方に丸いタイヤが何十個も付いている、いかにもスピードが出なさそうな船です。

しかしながら物凄いパワーを持っており、何十万トンという大型貨物船をも簡単に押したり引いたりして、その船の入港・出港をお手伝いします。
日本全国ほとんどの港に配備され、港湾物流の安全な管理運営に必要不可欠な存在です。

主な役割(業務内容)は、那覇港に入出港する様々な船舶のアシスト作業です。
簡単に申しますと、船舶入港時の接岸作業や、船舶出港時の離岸作業をお手伝いさせていただく仕事。
キーワードは「押す・引く・引き回す・運ぶ」です。

過酷な自然条件のなかでも
揺るがない安全性

もっと解りやすく説明しますと、風速10メートル以上の時、那覇港の岸壁から出港したい大型貨物船が「あまりに風が強いために自力では船が岸壁から離れられない」などの事態、もしくは「接岸したいが風が強すぎて、このままでは船が港岸壁に激突してしまう」などの事態に我々が出動し、タグボートから相手船にタグラインと呼ばれるロープを繋いでもらい、船を「押す・引く」「引きながら船の方向を変える=引き回す」という作業を、時として過酷な自然条件を相手にこなしております。

曳航は免許が必要な仕事です

「運ぶ」は例えば県内離島護岸工事の土砂を積んだ船を目的地まで、あるいは指定する海域に沈めたい浮漁礁を載せた船を、その海域まで運ぶ等の業務のことであり、専門用語では曳航(えいこう)と呼びます。この曳航という仕事には免許が必要で、沖縄県内では弊社以外にもう1社免許を取得している会社があります。

以上、簡単に業務内容を説明しましたが、上記以外にも遭難・座礁した漁船を助ける海難救助や、怪我・急病人を外国船から下船させ、港で待機する救急車まで運ぶ搬送業務も請け負っております。

「押す・引く・引き回す」というと非常に簡単な仕事のように感じる方も多いかと思いますが、世の中「シンプルなほど奥深い」とよく言うように、タグボートの操船も実に奥が深く、操船技術の習得には時間がかかります。

最近の世の中は人工知能がもてはやされ、AIが将来的に担うであろう職種も公表されました。シンギュラリティ(技術的特異点)というWordも気になります。
いわゆる2045年問題と言われ、人間社会のあり方や人類の存在意義を否応なく根底から揺さぶる大事件に発展するとのことらしいです。AIが人類のあらゆる領域を占領してしまうイメージを持ってしまいますが、我々タグボートの操船技術がそれらにとって代わることは現時点では考え難く、AIによる実用化はまだまだ時間がかかると推察しております。

私たちは、船と港の安全を守る極めて公共性の高い仕事に従事できる誇りと自信を胸に秘め、今日も颯爽と海原を駆け巡ります。

ご拝読ありがとうございました。

もっとタグボートについて知りたい方へ

那覇タグサービスではタグボートにもっと興味を持っていただくため、また地域の方との交流のために、小学生の職場体験などで、タグボートの乗船見学を行っております。
見たことがある、聞いたことがあるタグボートについて、もっと詳しく知りたい、実際に触れてみたい方や職場体験などをご希望の小学校中学校の職員の方は是非一度お問い合わせください。